青梅の梅がウイルス感染…さようなら吉野梅郷。
この三連休、とある青梅の駅が人でごった返していたらしい。
ーそれは「日向和田(ひなたわだ)駅」。吉野梅郷の最寄り駅だ。
メディアで放送していたらしいのでもしかしたら耳にしている方もいるかもしれないけど、梅がウイルスに感染し、周りに広がり始めているので全ての梅の木を切らなければいけなくなったのだ。大変不名誉なことに青梅市の梅が起点だとか。確かに青梅には吉野梅郷という梅の公園があって春には1260本の梅が満開を迎えるのに、来年からはもう見られない。復活までには10年以上かかるといわれている。梅が無い青梅(おうめ)なんて青梅じゃないじゃん。
梅に感染したウイルスの名前は「プラムポックス」。世界的には知られていたウイルスだけど、梅に感染した例は2009年に発見されたのが世界で初。アブラムシによってウイルスが運ばれるらしい。このウイルスは梅やモモなどの樹木に感染すると、葉や花びら、果実の皮に斑紋ができ、果樹の外観が悪くなるため商品価値がほどんとなくなってしまいます。また早い段階で実が落ちてしまうので収穫量が激減し果樹農家に大打撃になってしまうので早急に対策が必要とのこと。
この件に関しては梅切るのか~とぼんやり構えていたのですが、実は国家レベルの措置だということが分かり衝撃を受けたわけです。
農林水産省からこんな緊急省令が出ていた。
>>プラムポックスウイルスの緊急防除に関する省令(農林水産省)
>>農林水産省 植物検疫所のお知らせ(以下に概要を抜粋)
ウメ輪紋ウイルス(プラムポックスウイルス)の緊急防除について
1.これまでの経緯
2.緊急防除の内容
(1)緊急防除の内容
1 ) 感染している、又は感染しているおそれがある植物については、抜根し、焼却等の適切な処理を行う。
2 ) ウメやモモなどの規制対象植物の生植物(種子及び果実を除く。)は、防除区域からの持ち出しを禁止。
ただし、植物防疫官による検査の結果、感染していないと認められたものは除く。
(2)規制対象植物(規制の対象となる植物)
サクラ属(サクラ節を除くウメ、モモ、スモモ、アンズ、ネクタリン、オウトウなど)、セイヨウマユミ、ナガバクコ、ヨウシュイボタの生植物(苗、切り花、切り枝など)
ただし、種子、生果実を除く。
3.防除区域(規制の対象となる地域)
東京都
(1)昭島市:大神町(※1)、上川原町(※1)、昭和町、田中町(※1)、拝島町、松原町、緑町、美堀町
(2)あきる野市:全域
(3)青梅市:全域
(4)八王子市:暁町、石川町、犬目町、宇津木町、梅坪町、大谷町、尾崎町、上壱分方町、川口町、川町、久保山町、左入町、下恩方町、諏訪町、大楽寺町、高月町、滝山町、丹木町、戸吹町、中野上町、中野山王、中野町、楢原町、西寺方町、弐分方町、丸山町、みつい台、美山町、元八王子町、谷野町
(5)羽村市:小作台、川崎(※2)、五ノ神(※2)、栄町、神明台、玉川、羽、羽加美、羽中、羽西、羽東、富士見平、緑ヶ丘
(6)福生市:牛浜、大字熊川(※3)、大字福生(※4)、加美平、北田園、志茂、東町、本町、南田園、武蔵野台
この症例では公園の梅だけでなく、各家に植えてある植物も対象になるわけです。公園の梅切られるんだ~、じゃ済まない。「国」が「省令」を出して対策をしているというのはそれだけ一大事なわけです。
吉野梅郷で梅の木をたくさん撮ってきたのでそれをお披露目して、次に会うまでの別れを惜しむこととします。
この梅が全部なくなっちゃうんですね。根っこから抜いて焼却する。もったいないなあ、大仕事だなあ、と思いながらウイルスの拡散を防ぐためにはこれしか方法がないんですよね。鳥インフルエンザの疑いがかかった養鶏場と同じ。しばらくは別のものを植えるなどして土を浄化して、それから新しい梅の株を植える。
その日までさようなら。